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台風・雨漏りに弱い!?片流れ屋根の特徴とメンテナンス方法
![片流れ屋根の特徴とメンテナンス方法](/wp-content/uploads/katanagare_01.jpg)
最終更新2024年1月16日
「片流れ屋根って強風に弱いって聞いたから台風シーズンが来ると心配…」
「片流れ屋根は雨漏りが多いみたいだけど本当なの?」
シンプルモダンでおしゃれな外観が魅力の片流れ屋根ですが、台風や雨漏りには弱いとされている側面もあります。
「自宅は大丈夫なのかな?」と不安に感じてしまいますよね。
この記事では、片流れ屋根のメリット・デメリット、また、片流れ屋根が台風や雨漏りに弱いとされる理由や対策方法もご紹介。ご不安な方はぜひ参考にしてください。
「片流れ屋根は雨漏りが多いみたいだけど本当なの?」
シンプルモダンでおしゃれな外観が魅力の片流れ屋根ですが、台風や雨漏りには弱いとされている側面もあります。
「自宅は大丈夫なのかな?」と不安に感じてしまいますよね。
この記事では、片流れ屋根のメリット・デメリット、また、片流れ屋根が台風や雨漏りに弱いとされる理由や対策方法もご紹介。ご不安な方はぜひ参考にしてください。
【動画で確認「片流れ屋根の特徴とメンテナンス」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。動画で見たいという方はこちらをご覧ください!
↓ ↓ ↓
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【動画で確認「片流れ屋根の特徴とメンテナンス」】
長い文章のページとなっていますので、内容を動画でもまとめています。
動画で見たいという方は是非ご覧ください!
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![片流れ屋根のメリット・デメリット](/wp-content/uploads/katanagare_02.jpg)
![片流れ屋根は一方だけに傾斜が設けられている形状](/wp-content/uploads/katanagare_03.jpg)
もちろん見た目以外にも様々な特徴があるのですが、片流れ屋根には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。詳しく見てみましょう。
![片流れ屋根のメリット](/wp-content/uploads/katanagare_04.jpg)
![片流れ屋根のデメリット](/wp-content/uploads/katanagare_05.jpg)
![片流れ屋根のメリット](/wp-content/uploads/katanagare_06.jpg)
1.建物がシンプルモダンでおしゃれなデザインに仕上がる
![シンプルモダンでおしゃれな片流れ屋根](/wp-content/uploads/katanagare_07.jpg)
特に見た目のお洒落さを売りにした設計事務所や工務店などでは、1寸や2寸勾配程度の緩勾配の片流れ屋根を乗せたお住まいが多かったりしますよね。
![洗練されたデザインの片流れ屋根](/wp-content/uploads/katanagare_08.jpg)
![シンプルでスタイリッシュな片流れ屋根](/wp-content/uploads/katanagare_09.jpg)
ひと昔前には「シンプルすぎてデザインがイマイチ」というマイナスな印象もあった片流れ屋根ですが、より洗練されたスタイリッシュなデザイン住宅が登場してきたことで、その印象は薄れてきました。
事実、フラット35で有名な住宅金融支援機構が行った調査によると、平成29年度には住宅の屋根形状では片流れ屋根が全体の3割以上を占める結果となりました。このように、片流れ屋根を導入する住宅は増えてきているのです。
事実、フラット35で有名な住宅金融支援機構が行った調査によると、平成29年度には住宅の屋根形状では片流れ屋根が全体の3割以上を占める結果となりました。このように、片流れ屋根を導入する住宅は増えてきているのです。
![平成29年度の住宅の屋根形状の割合](/wp-content/uploads/katanagare_10.jpg)
2.太陽光発電を設置しやすい
![片流れ屋根は太陽光発電を設置しやすい](/wp-content/uploads/katanagare_11.jpg)
![方位角による発電量の違い](/wp-content/uploads/katanagare_12.jpg)
ここ10年以内に片流れ屋根の需要が増えてきた理由に、「太陽光発電を設置しやすい形状だから」というものもあります。2012年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度(通称:FIT制度)がスタートし、それからは屋根に太陽光パネルを設置する住宅が増えました。
片流れ屋根は、太陽光パネルを設置して発電するにはもってこいの形状です。片流れ屋根を南向きにすれば日照時間も長めに確保できますし一面の面積が広いのでよりたくさんの太陽光パネルを設置することも可能ですよね。
片流れ屋根は、太陽光パネルを設置して発電するにはもってこいの形状です。片流れ屋根を南向きにすれば日照時間も長めに確保できますし一面の面積が広いのでよりたくさんの太陽光パネルを設置することも可能ですよね。
![切妻屋根の太陽光パネル設置イメージ](/wp-content/uploads/katanagare_13.jpg)
![片流れ屋根の太陽光パネル設置イメージ](/wp-content/uploads/katanagare_14.jpg)
(ただし、屋根の勾配が緩すぎる場合は太陽光パネルを設置できなかったり、十分な発電量を得られなかったりするケースがあります。もしこれから先、ご自宅の片流れ屋根に太陽光パネルを設置することを検討している方は、事前に業者へ相談しておくと失敗がありませんのでお勧めです。)
3.スペースを広めに確保できる
![空間を広めに確保した片流れ屋根の室内](/wp-content/uploads/katanagare_15.jpg)
![片流れ屋根では屋根裏空間を確保できる](/wp-content/uploads/katanagare_16.jpg)
天井が高くなれば室内に開放感が生まれますし、屋根裏が広ければ収納にも活用できますね。
4.構造がシンプルなので建築コストを抑えやすい
![片流れ屋根はシンプルな形状なので建築コストが抑えられる](/wp-content/uploads/katanagare_17.jpg)
当然ですが屋根を複雑な形状にすればするほど、かかるコストはかさんでしまいます。最大限に無駄を削ぎ落としたシンプルな片流れ屋根だからこそ、低コストに導入できるというわけですね。
![シンプルな片流れ屋根は低コストで導入可能](/wp-content/uploads/katanagare_18.jpg)
また定期的に行う外壁塗装時なども当然使用する塗料の量が変わりますからコストが余計にかかる可能性もありますね。結果的に片流れだから安くてお得!という簡単な話ではないので注意は必要です。
![片流れ屋根は外壁の面積が増える](/wp-content/uploads/katanagare_19.jpg)
![片流れ屋根のデメリット](/wp-content/uploads/katanagare_20.jpg)
1.雨漏りのリスクが高い
![野地板まで雨水が浸入した片流れ屋根](/wp-content/uploads/katanagare_21.jpg)
![屋根の形状別雨漏り発生割合](/wp-content/uploads/katanagare_22.jpg)
片流れ屋根の最大のデメリットは、他の形状の屋根と比べて雨漏りのリスクが高いという点です。複雑な屋根の形状と比較すると取り合い部分が少ないため、逆に雨漏りは少ないのでは?と勘違いされる方も多いのですが、実はそうではないのです。
2016年12月号の日経ホームビルダーで発表された内容では、国土交通大臣指定住宅瑕疵担保責任保険法人「株式会社日本住宅保証検査機構(JIO)」の雨漏り調査によると、雨漏りした住宅の75%が片流れ屋根だったという発表を行いました。このように結果が物語ってしまっている以上、雨漏りのリスクや定期的な点検、メンテナンスに他の屋根以上に気を配る必要があるのが片流れ屋根だと言えるのではないでしょうか。
2016年12月号の日経ホームビルダーで発表された内容では、国土交通大臣指定住宅瑕疵担保責任保険法人「株式会社日本住宅保証検査機構(JIO)」の雨漏り調査によると、雨漏りした住宅の75%が片流れ屋根だったという発表を行いました。このように結果が物語ってしまっている以上、雨漏りのリスクや定期的な点検、メンテナンスに他の屋根以上に気を配る必要があるのが片流れ屋根だと言えるのではないでしょうか。
2.台風など強風の影響を受けやすい
![強風で剥がれてしまった棟板金](/wp-content/uploads/katanagare_23.jpg)
傾斜面が1面だけの片流れ屋根や、2面の切妻屋根などは、強風には比較的弱い屋根の形状です。一方、寄棟(よせむね)屋根など4面の傾斜面がある屋根の場合、一方向から受ける風の影響が小さくなるため、強風には比較的強いとされています。
![一方向から風を受けた場合の寄棟屋根・切妻屋根・片流れ屋根の比較](/wp-content/uploads/katanagare_24.jpg)
3.北側斜線制限のある地域では本来得られるメリットを享受できないことも
![北側斜線制限のある地域に建てられた家](/wp-content/uploads/katanagare_25.jpg)
![北側斜線制限の図](/wp-content/uploads/katanagare_26.jpg)
![片流れ屋根で雨漏りが起こりやすい理由](/wp-content/uploads/katanagare_27.jpg)
![雨漏りが発生した片流れ屋根の室内](/wp-content/uploads/katanagare_28.jpg)
特に雨漏り発生原因として多いのは、屋根の頂点に当たる棟部分です。片流れ屋根で言うと勾配が上から下へ向かって屋根が設置されていますが、勾配の上側が棟部分となります。
![片流れ屋根は棟部分が雨漏り原因となりやすい](/wp-content/uploads/katanagare_29.jpg)
そのため棟で受けた雨水が屋根の裏側を伝い、「下地と破風板の間から」、また「軒天と外壁の取り合い部分から」浸入して、雨漏りへと発展してしまうのです。
![片流れ屋根の棟部分の雨漏り発生原因](/wp-content/uploads/katanagare_30.jpg)
一箇所で屋根に降りかかる雨のすべての排水処理が求められるわけですので当然雨樋自体の劣化も早くなります。
![雨樋が軒先側の1箇所だけなので雨樋自体の劣化も早い](/wp-content/uploads/katanagare_31.jpg)
![屋根を上から見た時の雨水の流れ、寄棟屋根と片流れ屋根の比較](/wp-content/uploads/katanagare_32.jpg)
軒ゼロ片流れ屋根はさらに雨漏りリスクが高い
![軒が短い住宅は雨漏りの心配が高くなります](/wp-content/uploads/katanagare_33.jpg)
![軒の出がある建物は外壁に雨水がかかるケースが少ない](/wp-content/uploads/katanagare_35.jpg)
![軒先が短い建物は外壁にダイレクトの雨水がかかる](/wp-content/uploads/katanagare_34.jpg)
軒は屋根からの雨漏りを防ぐための役割も持ちます。しかし軒が短いことで外壁に雨がかかりやすくなり外壁からの雨漏りを誘発したり、屋根と外壁の取り合い部分に雨が運ばれ雨水が浸入しやすいというデメリットがあるのです。
![片流れ屋根の雨漏り解決方法を解説](/wp-content/uploads/katanagare_36.jpg)
透湿ルーフィングの増し張りを行う
片流れ屋根の雨漏りの一因は棟からの伝い水による、破風との隙間、外壁との隙間からの雨水浸入です。要するに浸入箇所があるから、雨水が入ってきてしまうわけですよね。
そうした隙間を透湿ルーフィングで棟部分から覆い、雨水の浸入箇所をなくしてしまうということですね。
そうした隙間を透湿ルーフィングで棟部分から覆い、雨水の浸入箇所をなくしてしまうということですね。
![下地木材を新設して透湿防水シートを被せる](/wp-content/uploads/katanagare_37.jpg)
![棟板金を設置して完了](/wp-content/uploads/katanagare_38.jpg)
覆ってしまっても大丈夫?とご不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、透湿ルーフィングとは湿気を通す機能の付いた防水シートで、雨水の浸入は防いでも、湿気の排出に問題が出るわけではないため換気等にも悪影響を及ぼすことはありません。
隙間を埋めてしまうという事だけで言えばシーリングを充填するという方法もありますが、長くても10年程度で寿命を迎えてしまいます。透湿ルーフィングであれば高耐久のものを選択すれば50年以上の耐久性を期待できるものもあるため安心が長持ちするという点で言えば圧倒的に透湿ルーフィングを増し張りするほうが良いですよね。
隙間を埋めてしまうという事だけで言えばシーリングを充填するという方法もありますが、長くても10年程度で寿命を迎えてしまいます。透湿ルーフィングであれば高耐久のものを選択すれば50年以上の耐久性を期待できるものもあるため安心が長持ちするという点で言えば圧倒的に透湿ルーフィングを増し張りするほうが良いですよね。
![高耐久の透湿ルーフィングは安心が長続きします](/wp-content/uploads/katanagare_39.jpg)
水切り金具を設置し、雨仕舞を効率的に行う
棟の次に雨漏り原因となりやすい場所がケラバ(屋根の側面部分)です。
軒先同様、屋根の側面は外壁に直接雨が当たらないように、少し突き出ています。これによって外壁は雨から守られますが、ケラバは当然直接雨が当たります。
軒先同様、屋根の側面は外壁に直接雨が当たらないように、少し突き出ています。これによって外壁は雨から守られますが、ケラバは当然直接雨が当たります。
![ケラバの水切り金具で雨水やゴミをシャットアウト](/wp-content/uploads/katanagare_40.jpg)
![シール材付きケラバ水切り](/wp-content/uploads/katanagare_41.jpg)
本来であれば勾配があるため適切に排水されるところを経年によってゴミや埃、土などが溜まってしまい雨水の排水の邪魔をしてしまえば雨漏りの原因を作ってしまう事になりますよね。
そうしたことを防ぐためにメンテナンスとしてケラバ専用の水切り(シール材付ケラバ水切り)を設置することもご検討下さい。ケラバ部分にゴミや埃が堆積することを防ぎ、雨漏りを未然に防ぐこともお住まいを長持ちさせるために重要です。
そうしたことを防ぐためにメンテナンスとしてケラバ専用の水切り(シール材付ケラバ水切り)を設置することもご検討下さい。ケラバ部分にゴミや埃が堆積することを防ぎ、雨漏りを未然に防ぐこともお住まいを長持ちさせるために重要です。
![台風が来る前にやっておくべきメンテナンス](/wp-content/uploads/katanagare_42.jpg)
デメリット部分でも触れましたが、片流れ屋根は強風や台風に弱いという一面があります。2018年関西を襲った台風21号、2019年千葉で甚大な被害を出した台風15号などテレビ中継の映像を思い出すとゾッとしてしまいますが、屋根が飛ばされてしまった映像を数多くご覧になったという方もいらっしゃると思います。
だからこそ屋根の専門業者としては備えあれば憂いなしで、台風前にきちんとしたメンテナンスを行っていただきたいと切に思っております。ここでは台風の前にやっておくべきメンテナンスをお伝えします。
だからこそ屋根の専門業者としては備えあれば憂いなしで、台風前にきちんとしたメンテナンスを行っていただきたいと切に思っております。ここでは台風の前にやっておくべきメンテナンスをお伝えします。
![台風により被害を受けた片流れ屋根](/wp-content/uploads/katanagare_43.jpg)
屋根が劣化していないかの点検
台風が来る前にやっておきたい片流れ屋根のメンテナンスとして、まず真っ先に考えていただきたいのが屋根の劣化状況を確認するために専門業者による点検を受けていただくことです。屋根材、板金部材、片流れ屋根の弱点部分など点検をして問題がなければ、「外に置いてある鉢植えを屋内にしまう」など一般的な台風の準備をすればいいですし、問題が見つかった時には補修をして備えることができます。
なお、自宅の屋根の状況を調べようとしてご自身で屋根に登るのは、非常に危険なのでやめましょう。
なお、自宅の屋根の状況を調べようとしてご自身で屋根に登るのは、非常に危険なのでやめましょう。
劣化が見られる場合は不具合に応じた補修を行いましょう
![棟板金交換施工の様子](/wp-content/uploads/katanagare_45.jpg)
屋根材の補修や交換、棟板金やケラバ板金などの板金部材は補強、交換をするなどして万全の状態に原状回復させておきましょう。
●片流れ屋根の棟板金交換
![棟板金交換施工前](/wp-content/uploads/katanagare_46.jpg)
![](/wp-content/themes/ya-store/images/horizontal.png)
![棟板金交換施工後](/wp-content/uploads/katanagare_47.jpg)
また新築から20年以上経過して、劣化が激しい場合は必要に応じて葺き替えやカバー工法といったリフォームを検討してみることもお勧めします。
![カバー工法の様子](/wp-content/uploads/katanagare_48.jpg)
![葺き替えの様子](/wp-content/uploads/katanagare_49.jpg)
![きちんとした対策とメンテナンスで雨漏り被害や台風被害をなくしましょう](/wp-content/uploads/katanagare_50.jpg)
もしかしたら多くの方がご不安になってしまったかもしれませんが、片流れ屋根と言ってもすべてのお住まいが雨漏りに悩まされるわけでも、台風被害にあうわけでもありません。日頃の点検を怠らずに、必要なメンテナンスを行えばきちんと皆様の安全を守ってくれます。
![日頃のお住まい点検、必要なメンテナンスが皆様の安全を守ることにつながります](/wp-content/uploads/katanagare_51.jpg)
台風・雨漏りに弱い!?片流れ屋根の特徴とメンテナンス方法まとめ
●片流れ屋根とは一方向にだけ傾斜が設けられている屋根の形状を指します
●片流れ屋根にはスッキリとしたシンプルモダンな外観、太陽光発電設置、スペースを広めに確保ができるといったメリットがあります
●片流れ屋根のデメリットには雨漏りや強風被害のリスクが高いといったことが挙げられます
●片流れ屋根で雨漏りが起きやすい原因はその構造にあり、下地と破風の隙間、軒天と外壁の取り合い部分などが雨漏り原因となりやすい箇所です
●片流れ屋根においては一方向にのみ雨樋が設置されているため、負担が大きく、雨樋の劣化も早いと言えます
●透湿ルーフィングの増し張りや水切り金具の設置など適切なメンテナンスを行い、雨漏り対策を行いましょう
●台風被害に遭う前に屋根の劣化状況を把握し、必要なメンテナンスを行い台風に備えましょう