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水戸市で破損と劣化した銅製の雨樋の交換と屋根漆喰の部分補修工事


茨城県水戸市にお住いのお客様より、銅製の雨樋についてご相談をいただきました。先月の調査の模様とその後に行った雨樋の交換工事、さらに屋根の棟漆喰の部分補修の様子をお届けいたします。

銅製雨樋の調査

銅樋の大きなお宅
白壁が映える堂々とした居住まいの日本家屋です。全ての雨樋が銅製でできており、計測したところ1階と2階を合わせて80メートル以上になりました。

銅は見た目や風格から純和風の住宅に使用されることが多く、軽くて丈夫な上錆に強い特徴があります。100年以上持つと言われるほど耐久性は高いのですが、昨今の厳しい気象条件もあり、環境によっては早めに穴が開いてしまったり破損する事例も報告されています。
銅樋集水器の泥詰まり
集水器に通じる穴が泥により完全に塞がれています。これでは竪樋に雨水が流れずあふれ出てしまいます。
銅樋集水器の詰まり
こちらは枯れた草や葉が大量に入り込んでいます。様形を考えると小鳥が営巣した跡の可能性もあります。
銅樋の泥詰まり
長年溜まり続けたゴミや泥のかたまりがあちこちにあり、スムーズな雨水の流れを妨げています。一度もメンテナンスを行わなかったため、歪みや変形がかなり見られました。
銅樋の割れ
外側に大きく歪んだ箇所が割れ、細長い穴が開いています。ご主人様によると、大雨の日にはひどい水漏れが起き、外壁を広範囲に濡らしてしまうとお困りのご様子でした。

銅と釉薬瓦について

通常の雨水では錆びることのない銅に穴が開く原因として、まず酸性雨が考えられます。光化学スモッグ等により酸性雨が降りやすくなり、その影響で銅製の雨樋の腐食が引き起こされるのです。
酸性雨によるものが大半ですが、こちらのお宅の屋根瓦は「釉薬瓦を使用していました。
釉薬瓦(陶器瓦)とは瓦型の素地に釉薬(うわ薬)をかけ、高温で焼き上げた瓦のことです。多様な色を出せるのが魅力で、また表面の釉薬がガラス質になっているため、水の浸透を防ぎ、長く綺麗な状態を保つことができます。

銅製雨樋と釉薬瓦、美しく耐久性が高いもの同士ですが、実は相性がよくありません。
以前は高級普請用としてセットで建てられることが一般的だったようですが、釉薬には銅を溶かす成分が含まれており、それらが雨等で流れ出し、長期に渡り雨樋の溜まりやすい箇所を腐食していくのだと解明されてきました。

銅製雨樋の交換

銅製雨樋2階交換
ご主人様といろいろ打ち合わせを重ねた結果、釉薬瓦の件もご了承いただき、同じ銅製の雨樋を新しく取り付けることになりました。集水器と竪樋は今までのものを残し、軒樋と樋受け金具を交換しました。
銅製雨樋交換工事
2階の「曲がり」(コーナー)の部分です。
銅製雨樋玄関交換
玄関の庇(ひさし)も綺麗になりました。
銅製軒樋止め
軒樋の先端の「止まり」の部分です。
銅製軒樋交換
軒樋と集水器との連結部分です。
軒樋に集水器が溶接されていると取り外しがかなり大変になるところでしたが、今回は以前と同様に継ぎ手をしっかり接着し、既存の集水器を取り付けました。因みに接着剤やコーキング剤は銅専用のものを使用しています。

銅の色は「銅色(あかがねいろ)」や「赤銅色(しゃくどういろ)」と表現されますが、交換したばかりの銅製雨樋は新品ならではの赤褐色の明るい色合いです。
空気に触れると酸化が始まり、徐々に暗く黒ずんでいき黒褐色になります。さらに年月が過ぎると、最終的に銅錆いわゆる「緑青」をまとった美しい緑青色へと変化し、元々の集水器や竪樋と同じような色味に落ち着くのです。
銅ならではの様々な変化を楽しむのもいいかもしれませんね。

追加で屋根の漆喰を補修

屋根漆喰の剥がれ
屋根の棟部分の漆喰が剥がれてしまい、固定用の導線が外れています。
屋根漆喰の崩れ
漆喰が完全になくなり、中の葺き土と呼ばれる下地が露出しています。
棟漆喰の補修
棟漆喰の部分補修
一度メンテナンスを行ったとのことで、幸いにも崩れは部分的で剥がれた箇所も少なかったため、乾燥して古くなった漆喰を取り除き新たに塗り直しました。

最後に・・・

梯子で銅製雨樋交換
銅製雨樋交換2階
銅製雨樋交換2階梯子
本来は足場を架けて施工するところですが、下屋がかなり張り出していたこともあり、今回は梯子と脚立で対応しました。
横滑りによる転倒を防ぐため、作業中や上り下りの際には必ず下で梯子や脚立を支え、2名1組の計4名で行いました。足場を架けない分コストは抑えられましたが、梯子を少しずつ移動させながらの作業は通常の倍以上の手間がかかりました・・。
安全第一!を常に心がけましたが、ほとんど風がない日でよかったです。
また、銅製品は直接手で触れてしまうと指紋がつき黒ずんでしまうので、作業中は手袋が必須アイテムでした。職人さんいわく、「ものすごく気を使った!」

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